ぷんおの重箱隅つつき

映画やドラマから垣間見る生活文化の考察

シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~|あらすじ感想【フランス映画】

シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜 (字幕版)


題名:「シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜」(Comme un chef)
公開日: 2012年12月22日(日本)
監督:ダニエル・コーエン
脚本:ダニエル・コーエン
キャスト:ジャン・レノ(アレクサンドル役)、ミカエル・ユーン(ジャッキー役)

【ストーリー】
こだわりが強すぎて客や同僚とトラブルを起こし、職場を転々とするシェフのジャッキー。彼女の妊娠を機にペンキ職人に転職するが、仕事先の老人ホームの厨房に上がりこんで料理をする。
三ツ星レストラン「カルゴ・ラガルド」の超一流有名シェフのアレクサンドル。テレビ番組を持つほど人気だが、実はすっかりひらめきを失い才能に行き詰まりを感じ、次の審査で星を失いかねない状態に陥っている。
ある日アレクサンドルはレストランの社長マテールの父親ポールを訪ねに老人ホームに行く。そこでジャッキーの作った料理を口にするが、それは自分が過去に作った料理の味を完璧に再現したしたもの。彼の才能に驚いたアレクサンドルは自分の助手としてスカウト。ジャッキーはアレクサンドルのレシピを全て記憶しているくらい彼を尊敬してやまない。もちろん誘いを受けるが彼女には内緒。
ジャッキーとアレクサンドルはぶつかりながらも信頼を深めていく。その水面下では社長による店の改革が進んでいる。スタンダードなフレンチではなく革新的なお店に…。
古典的な料理にこだわるアレクサンドルが邪魔な社長は今度のミシュラン審査で1つでも星を失ったらクビにすると宣告。追い詰められた二人だが、審査員に受けがいい「分子料理」の店に客として変装して潜り込むなど研究し何とか彼らなりの新しい料理を作りだす。
審査員の日、冷え切っていた仲の娘との用事を優先させたアレクサンドルの代わりにシェフを務めるジャッキー。しかし当日社長の陰謀で食材調達がなされていなかった。全てを勝手に諦めようとしたが、老人ホームの厨房で一緒だった調理師から独りよがりな姿勢を指摘され、こだわりを捨て近所の食料品店で野菜を買いこみ新作料理を作る。
ジャッキーの料理を絶賛する審査員たち。言葉を失う社長。厨房に駆けつけたアレクサンドルは、自分は引退して跡をジャッキーに継がせると宣言する。ジャッキーは社正式に「カルゴ・ラガルド」のシェフとなる。赤ちゃんが産まれた彼女の元に駆けつけ審査が成功したこと正式にシェフとして採用されたことを伝え改めてプロポーズ。
店を退いたアレクサンドルは、以前劇的に一目惚れしたレストランオーナーの美女の店のシェフとなる。
アレクサンドルの人気料理テレビ番組は続行。言いたい邦題ジャッキーが助手に加わり番組は更にパワーアップ。アレクサンドルも自信を取り戻す。

【感想】
「分子料理」というのが出てきます。
2000年代前半から出てきた調理法なのですが、これが本作でアレクサンドルとジャッキーが挑む従来のフレンチは古いとしつつ、審査員は評価したがるスタイルです。
料理に液体窒素!?新時代の料理「分子ガストロノミー(分子美食学)」とは? | クックビズ総研
偵察に行くときのスタイル(下記図 スクリーンショット引用)。

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日本を小馬鹿にしていると感じる人もいるかもですが、個人的にはそういったことは感じませんでした。むしろフランス料理が抱えてるのと同様に日本の和食も伝統崩壊の危機にあるのでなんとなくわかり合えるものがありました。(海外でトンデモアレンジされたりしてるところも含め)分子料理クソくらえのアレクサンドル(ジャン・レノ)の選んだ仮装。武士の道場破りの「頼もう!」感もありますし、最終的に分子料理を否定するのが、フレンチと同じように長い伝統を持つ「和」なんです。
またアレクサンドルの厨房は最終的に人種もキャリアも寄せ集め状態になるのですが最後きっちり機能します。そこにはそれらを超えた「尊敬」と「信頼が」生まれたからでしょう。
外資系の企業含め、外国人と仕事経験のある方なら共感いただけるかもですが、そういった差別についての感覚はホント人によります。私達が他の国や人種に対し絶対わかり合えない温度差がバラバラなのと同じ。それらを上手く変換しつつ主張をしっかりできるか否か。・・・と感想じゃないことを書いてしまいました。

自分のポリシーを守りつつ、こだわりを一旦崩して他のものを見たり意見を聞く。そういった気付きもあったし、ジャッキーが作ったスタンダードベースで進化させた料理の出来上がりが良かったです。フランス映画らしい「仕事も大切だけど『愛』」という感じもなかなかでした。

【評価】
★★★★☆
Amazonプライムビデオの見放題に入ってました。上記のように深読みしなくても気軽に楽しめる作品です。オススメです!