ぷんおの重箱隅つつき

映画やドラマから垣間見る生活文化の考察。韓国ネタ多め。

屋根部屋のネコ|備忘録 あらすじ・感想【韓国ドラマ】

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【放送】
2003年6月2日〜7月22日(MBC)全16話
原題は「옥탑방 고양이」(オクタッパン コヤンイ)
※原作はネット小説。
※この年に盧武鉉政権誕生(2003年2月25日〜2008年2月24日)

【概要】
儒教思想の強い韓国で初めて「同棲」を扱った作品。
2002年放送「ロマンス」の「女教師と教え子の男子高校生の禁断の恋」同様、韓国のお茶の間にとってセンセーショナルな内容であったようです。
▼参考までに韓国の日本との同棲に対する認識の違い書についての記事貼ります。(KBS WORLD)

男性が女性を救済するパターンが主流の当時の作品とは真逆のこの作品のヒロイン像は、その後誕生する「パリの恋人」のテヨンや「私の名前はキム・サムスン」のサムスンのような、自分のやりたいことをしっかり持った自立したキャラクターの増加に影響を与えていったそうです。

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【キャスト設定】〜走り書き
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●ナム・ジョンウン(チョン・ダビン
短大卒業後就職浪人3年目。家族構成は警察官の父,母,お調子者と年が離れた2人の弟の5人家族。
「ひとり暮らし」の夢を叶えるために家族に内緒で新聞配達などのアルバイトでコツコツ貯金しながら、海外留学中の友人ヘリョンの身分証明書を借りて大学図書館に通い就職に向けての勉強に励むと忙しい日々。
ある日の図書館。バイト疲れで間違ってギョンミンの席に座っしまいヨダレを垂らしながら眠りこけていたことがきっかけで彼と知り合う。
父の春川転勤を機にひとり暮らしを家族に宣言。親の猛反対を押し切り実行に移すが、弟が通帳を盗み使い込み。不動産会社に敷金を支払えず途方に暮れていたところにヘリョンによく思われたいギョンミンが登場。下心満々でお金を貸してくれる。結果それにつけこまれ同居するはめになる。(住まわせる代わりに勉強しろとの交換条件提示)
一刻も早く稼がねばならず広告会社の求人に応募。
面接会場に行ってみると応募者は大卒ばかり。そして面接官は以前公園で出会ったドンシュン。馬鹿にされた気持ちで怒りが込み上げ、自尊心を傷つけられる。
採用されたはいいが、自分だけ雇用形態はアルバイト。ここでまたプライドが傷つく。
しかしお金は必要!入社(月7万?)を決め、他のバイト(ニンニクの皮むき他)とハードなダブルワークに励む。
広告会社での仕事はひたすらお菓子を食べ続け感想を書かされたり…。と日和見で訳のわからない仕事(ジョンウンは広告専門知識がないので与えらてている仕事の根底の意味がわからない)ばかり押し付けられ不服に思うが負けずにこなしていく。
〜ジョンウンのキャラ。
(※個人的感想)
ルックスも家柄も学歴も冴えないが自分自身に誇りを持っている。それを見下げる世の中や人々に憤りを感じ「いつか成功して見せる」とそれをパワーに変え努力を惜しまない。
これを裏返すと、頑固で融通が効かなく自分とは違う他人の価値観を全否定。お説教が大好きで喧嘩っ早いのでこれが発端でトラブルになることが多い。
また理由はどうであれ、男を住まわせ養ったり上司の家に夜間一人で訪問するなど、冴えない外見とは違ってかなり大胆な行動をする。かといって見返りを求めることなく、当時の韓国女子としては進んだ考えの持ち主であることが伺われる。とにかく経済観念にすぐれており、いつも頭で電卓叩いているタイプ。しかし脇が甘いところがあり、引き出しの通帳を弟に…台所の皿と皿の間のへそくりをギョンミンに…発見され持ち逃げされる。

●イ・ギョンミン(キム・レウォン
大学法学部留年中(3流?)
ネコではなくゴールデン・レトリバー感。

早くに両親が他界し、富裕な祖父母に溺愛されて育つが金銭&物質援助が愛の形なので家庭の温かさに飢えている。(ジョンウンに惹かれていく根本的要因)
そのためか明るいけれどどことなく刹那が感じられ、それが行動に表れている感じ。(「孤児」は実質兵役免除なのでその劣等感みたいなものもあるかも)
授業には出ず女の子と遊んでばかりの日々。片思いの憧れのヘリョンが図書館で出会ったジョンウンと友人と知り、ジョンウンに好印象を与えればヘリョンもそう思って自分に関心を持ってくれるはずだと下心で近づき親切にする。
ジョンウンが敷金を払えず困っているところをこれ幸いとお金を貸し自分の優しさを印象づけるが、実情は浪費家でギャンブルでヤミ金までに手を出し首が回らない状態。
過激な取り立てに遭い困り果て今まで通り祖父母に金の無心をするが、助け舟はこず。マンションにも戻れなくなりあたふたする。
しかし悪知恵だけは働く。自分が敷金を貸したことを盾に「俺にもこの部屋に住む権利がある」と主張し、ジョンウンの部屋に転がり込む。
いい加減な性格&放蕩な暮らしぶりに呆れたジョンウンからまじめに大学に通い司法試験の勉強をすることを同居の条件と約束させられる。
〜ギョンミン爺婆とジョンウン両親との関係。
爺は店先で出会った経済観念に優れ勤勉でたくましいジョンウンを気に入り同棲関係を誰にも言わず見守る。婆はジョンウンを新しいギョンミンの部屋に出入りしているお手伝いと思い込む。後に事実を知るが家柄からなにもかもパッとせずやせ細ったジョンウンがお気に召さない。
ジョンウンの両親はいい加減な同棲暮らしをしているギョンミンを当然よく思うわけはなく、特に母親は責任を取って結婚するよう略式の誓約書を作り押印を強要。その他ゴタゴタ。

●ナ・ヘリョン(チェ・ジョンユン)
折り目正しく美しくキャンパスの憧れのマドンナ的存在。親は政府関係の仕事と上級国民。
移動は常にシルバーのオープンカー。ファッションは基本ノースリーブワンピースで清楚感とセレブ感を醸し出している。
ドンシュンとは家族ぐるみの付き合いで、昔から好意を寄せている。なんとか気を引こうとするが妹扱いで相手にされない。
ジョンウンがドンシュンの会社に入社し、2人の関係が深まっていくことに嫉妬し、彼の気を引くためにギョンミンの気持ちを利用するが、ドンシュンは無関心。後にきっぱり振られる。
ドンシュンとギョンミンの関心を奪うジョンウンへの憎悪が高まり、ついに底意地の悪い本性をあらわす。ジョンウンとつかみ合いの喧嘩に発展し流血騒ぎに。

●ユ・ドンジュン(イ・ヒョヌ
広告会社「PLUS AD」の副社長兼ヤリ手のディレクター。
ハイスペックで女性にモテるが、軽くあしらい結婚には否定的。
しかしジョンウンと出会ってから一転。媚びずに飾らない彼女のキャラクターや仕事における発想力にすっかり惚れ込み、結婚を申し込み実家にも挨拶に行く仲となる。
ジョンウンとの出会いは公園のベンチ。ギョンミンのために作った弁当を売りつけられたのがきっかけ。
ジョンウンが飼うペットの「ネコ」(ギョンミン)の存在に気づきつつ大人の対応で素知らぬふりをしていたが、ギョンミンにしっかりジョンウンの気持ちを打ち明け忠告。

●ナム・ジョンウ(ポン・テギュ)
勘が鋭くちゃっかりものの弟。ジョンウンの引き出しから通帳を見つけ拝借し使い込む。
いち早く2人の同棲に気づき、ギョンミンをヒョンと慕うようになる。

【感想】
原作のインターネット小説のあらすじを読んだのですがなかなかシニカルで面白そうでした。参考までにYES24のページ貼ります。(※アフェリエイトではありません)原作では保守的な考えの韓国社会ではタブー的な同棲を中心に、宗教観やジェンダー観などが盛り込まれなかなか過激で深そうな内容ですが、ドラマは四角関係の恋の話がメインなってしまい茶番化。そして原作潰しどころか別作品になってしまった感は否めません。
それでも視聴率が高かったということは、このような同棲生活とロマンスがお茶の間にとって非現実的で興味の対象であったからだと思われます。
色々と調べてみると概ねそういった評価で最終的にはチョン・ダビンキム・レウォンの演技を評価する声が多かったです。

と書いてみたものの、ハマらない作品でした。
終始<裏切り,誤解,嫉妬→喧嘩→仲直り>のループ。
そして「格差社会問題」。

ラストは、ギョンミンの嘘にブチギレてドンシュンとイギリス支社の研修に行ってしまい数年(2年?)後バリキャリ(服装だけ)になり帰国。案の定忘れられず思い出の屋根部屋に行って感傷に浸っているとギョンミン登場。検事になって立派になったと思いきや、相変わらずで滞納家賃が払えないからお金をせびられるといったオチ。

続編で仕事を持った2人がまた同棲したら?の物語があったら絶対面白そうなのですが、この作品から4年後(2007年2月10日)ジョンウンを演じたチョン・ダビンは自殺してしまいます。

【その他】
この作品、今までで観てきた韓ドラでナンバーワンの吐瀉(ゲロ)シーンあり。(寝ているジョンウンを見つめるギョンミン。そこに起き上がりオェーッ!顔や服にかかった吐瀉物アップ)
初回からリアリティあるヨダレ(粘液状)や、韓国ドラマあるあるの喧嘩(髪の毛引っ張り合いからの馬乗り)、炊飯器から内窯を取り出し抱え直接スプーンを突っ込んで食べるなど衝撃もシーンも多彩。
ポン・テギュ(弟)が引き出しから通帳を盗むというという設定には驚きました(笑)
ロマンチックなところでは、ドンシュンが仕事としてパーティに同伴させるシーン。服はもちろんプレゼント。氷像が真ん中にあるホテルのパーティ会場で白人たちと流暢な英語。そしてダンス。韓国ドラマあるあるだらけでした。(もしかするとシャワーシーンや水泳、ピアノなど他のあるあるもあったかもしれません)
格差もそうなのですがドッグフードや洗濯機、ノートパソコンなど当時あまりなかったものが間接広告として登場し、時代を感じました。
(韓国の洗濯&水道事情については後日まとめます)

感想としてはまとまりのない作品としか言えませんが、ジョンウンの夢が詰まったひとり暮らしの部屋の微妙なインテリアや、2人のご飯を食べたりの「お家時間」の過ごし方が当時の憧れ要素だったことはよく分かる作品でした。

というわけで、ハマらなかった&契約しているU-NEXTで配信がなくなったので見直しができず、記憶と視聴時の走り書き等を元にまとめてみました。

※お家事情、洗濯事情、食事情、この作品関連で紐づく雑談話も書いていく予定です。