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夏の香り|備忘録 あらすじ・感想【韓国ドラマ】ネタバレ

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【放送】
2003年7月7日 - 9月8日(KBS)全20話
原題は「여름향기」ヨルミャンギ)。
同時間帯MBC放送の「屋根部屋のネコ」に押され、平均視聴率10.6%、最高視聴率11.6%。
ちなみに「屋根部屋のネコ」の最高視聴率35.6%。

【概要】
ユン・ソクホ監督の「四季シリーズ」第3作目。
放送2回目で、米国映画「この胸のときめき」の盗作疑惑浮上。監督は前から温めていたものであると真っ向から反論。
脚本家との摩擦交代、キャスティングの難航がそのまま視聴率へと繋がった模様。

【キャスト】
①ユ・ミヌ(ソン・スンホン
婚約者の死後、3年ぶりにイタリアから帰国。写真家を目指していたが挫折。現在は建築デザイン会社のディレクター。彼女が忘れられず女性と縁がなかったが、彼女との思い出の山(香積峰)で出会ったへウォンに運命を感じ恋に堕ちる。
茶髪に終始袖を切り落としたようなノースリーブにジーンズ姿。外見はアウトローな印象が強いが誠実な人物。
彼女を亡くしたためか寂しい影を背負っている。
へゥオンに婚約者がいるということで踏み込まず思いを心に留めているが抑えられない感情に思い悩む。
好きな花は黄色いバラ(ムーンライト)。

②シム・ヘウォン(ソン・イェジン
心臓に病を抱えており学生の頃は体育見学組。大人になっても心臓が動いていれば、愛する人と世界中の道という道を一緒に走ってみたい。輝く雨(にわか雨)が降り注ぐなか愛する人と出会いたい。と死を意識しつつも未来の恋を思い描く。
彼氏は幼馴染のチョンジェオッパー。両親は死去。亡き父がチョンジェの父と共に共同経営していた関係で、シム家に家族同様面倒を見てもらっている。
小学校教諭であったが、心臓移植後はクリエイティビティなフローリスト。姉的存在ジャンミの店で元気に仕事に勤しむ。
心臓移植後、性格が明るくアクティブになったこと。自分の中にもうひとり住んでいるような気がして、ドナーがどんな人か気になりだす。
幼馴染の兄的存在かつ恋人のチョンジェに結婚を申し込まれ、順風満帆な関係を築いていたが、過去に出会っているような気がするミヌとの出会いで胸がときめく。そのときめきが自分の素直な気持ちかドナーの思いなのか思い悩む。
好きな花はカラー。

③パク・チョンジェ(リュ・ジン)
資産家の息子。父の経営する会社勤務。茂朱のリゾート地の再開発(カラーリゾート)を手掛けている。ヘウォンの幼馴染で彼女を一途に思う婚約者。ヘゥオンの気持ちのゆらぎに気づきながら否定しつつ見ない振りをしてきたが、後半真逆の態度を取る。
オフィスにはひまわりの花が飾っている。

パク・チョンアハン・ジヘ
チョンジェの妹。兄と同じ会社に勤務。イタリアに留学中に知り合ったミヌに運命を感じ、猛アタック。ミヌの実家に押しかけ婚約者ヅラをしたり、自分の両親に彼の許可なく引き会わせたりと強引な手段を取る。第三者からみると脈なしの妹的存在でしかありえないが、世間知らずの素直さ故にそれに気づかず、ミヌの気持ちを汲み取らず強引に迫りまくる。
姉のように信頼し恋の良き相談相手だったヘゥオンがミヌに心変わりをしたことで、気持ちは反転。思うままに彼女を攻撃する。
お嬢様であるがクリエイティブな仕事をしているため流行に敏感な攻めのファッション。

⑤ソ・ウネ〈恩〉(シネ)
ミヌの亡き婚約者。ミヌとの出会いは、キャンパスで「にわか雨」が降ったとき同じ場所で雨宿りをしたこと。死後ヘウォンの心臓のドナーとなったがミヌはそのことを知らない。
〈雨宿り中の会話〉
にわか雨に対し、ウネは「狐の嫁いり」ミヌは「トラの婿いり」と表現する。
韓国ドラマで多様される「にわか雨」は「恋のはじまり」の古典的メタファー。
このセリフで恋がはじまったことがわかる。
=韓国の民話=
狐とトラが恋に落ち結婚することになりました。
狐が好きだった雨が結婚式の様子を伺いにきました。
そのために晴れていた天気が雨に、しかし雨は狐の相手が恐ろしいトラと知ってすぐに引き返しました。
そしたらすぐに天気が回復、
それ以来、天気雨のことを「狐の嫁いり」「トラの婿いり」というそうです。
[引用]ヤフー知恵袋

⑥オ・ジャンミ(チョ・ウンスク)
ヘウォンのオンニ(先輩)で同じ店のフローリストでルームメイト。自分が綺麗だと思いこんでいるナルシスト。おっちょこちょい。反感をもっていたデプンといい関係になる。

⑦チ・デプン(アン・ジョンフン)
ミヌの先輩で良き理解者。同じ事務所(社長?)。デプンもまた自信過剰でおっちょこちょい。ミヌが山でヘウォンに恋に堕ちた話をはじめから知らされている。

【プロット】
亡き恋人を想い山に来たミヌと、野草を撮影しにきたヘゥオンが出会い、天候悪化で山荘で一夜を明かす。
婚約者の死後、誰にも恋をすることなく過ごしてきた①だったが②との出会いで恋に堕ちる。②も胸騒ぎを感じる。
ある日、①と②は③の会社のリゾート再開発プロジェクトで(名前は②の好きな花「カラー」由来)で運命の再会をはたす。
①にイマイチ信用の持てなかった(外見がチャライので)②は、仕事を通して①の誠実さに気づき心を寄せていく。
心臓の高鳴りを否定しつつも、だんだん①に心が傾く②。③と婚約中で③の実家にも恩義がある。妹分の④の①への恋を応援している立場でもある。そういった彼らを裏切れない状況ばかり。①への思いを消そうと努力しながら、罪悪感と断ち切れぬ思い出いっぱい。
本人たちは否定するが、2人は関係性は周りが見過ごせないほど深まりを増す。
②の心臓ドナーは①の亡くなった婚約者の⑤ということが発覚。
2人が結ばれることにより、②はつらい思いをすると③は①に別れを促し、②には真実を伏せたままにする。
ドナーの件を知った②は、①の自分に対する愛情は、亡き⑤の面影を求めてのことではないだろいか?また、自分の①へ気持ちも、心(心臓)の持ち主である⑤の思いなのでは?と、亡き⑤の心臓に振り回され皆負のスパイラルに陥る。関係を断ち切るために③と結婚に踏み切るが、式を目前に②は倒れる。手術を拒む②だが、①が自分のことを忘れてくれるなら手術すると交換条件。①は思いを絶ちイタリアへ。
数年後。結果②は米国で人工心臓の手術し、③は良き理解者としてそばにいてくれ積極的に仕事をしている。
ある雨の日、思い出の美術館。たくさんの傘であふれる階段。
胸(人工心臓)の高鳴りを覚え振り返ると、そこには①が。
〈終〉

【感想】
今も昔も個人的に評価が低い作品です(笑)
この世に存在する医学では証明できない不思議な運命(移植云々の他に、香りによっての記憶の蘇り「マドレーヌ効果」しかり)や、湧き上がるけれど封印しなければならない思いのようなものが、相変わらずの主旨(監督の好み)だと思うですが、心臓移植がもたらす現象というよりも、レベルを超えた偶然の出来事、度重なる既視感、歯が浮きまくる胸キュンシーンなどのツールやアイテム的なものばかりに目が行ってしまい・・・結局、何が言いたかったんでしょうか?(笑)

とはいいつつ、相変わらずの監督特有の映像美には圧巻。
北欧に寄せた単なる外国テーマのリゾート「茂朱(ムジュ)」を、ホタルや茶畑などの近隣の自然と紐づけ、訪れることで恋の懐かしさを感じられるような地としたことはあっぱれです。
今でも黄色いバラが天井一面に吊るされた「プロポーズ小部屋」や三角屋根の黄色い建物は残っているようなので、20年が経過した今訪れると、作品ファンの皆さんはその思いや当時の記憶が蘇るなんて想像も頑なであります。

ということで、ユン・ソクホ監督の作品を「秋の童話」、「冬のソナタ」を飛ばして「夏の香り」と、2作品の感想をまとめてみました。
この作品、今話題の「愛の不時着」のソン・イェジンが出演しているので、関心ある方も多いと思いますが、この監督の特徴の自然の美しさの描きにも目を向けてみると「愛の不時着」にはない面白みを感じるかもしれません。


※「屋根部屋のネコ」と「愛の不時着」は後日まとめます。